2009年12月31日

更新:2009年12月


2009年12月の閑古鳥旅行社更新情報です。

輪島市黒島地区

能登半島の北西部にある黒島集落です。北陸ならではの板張りの家屋が建ち並ぶ風情のある元廻船問屋集落ですが、能登半島地震によって被災し、多くの家屋が被害を受けるという憂き目にあいました。

今でも現地を訪れてみると、修理したばかりの真新しい板壁や、空き地になってしまった場所も少なからず見られ、その被害の大きさを思い知らされます。しかしながら、家を修理するにも昔ならではの板壁で行うなど、この集落を守ろうという気概も感じられました。

しかし能登半島は他にも特徴のある古い町並みがまだ残されているような気がします。また訪れる機会がありそうですね。

瑞巖寺本堂(元方丈)

ここに来て、なぜか2年前に訪れた松島の瑞巖寺が登場です。……そうです、最近仕事が忙しく、遠出ができないので新規物件が増えないのです。まぁ、国宝建築もちょくちょくやっていかないと貯まっていく一方なので。

瑞巖寺は伊達政宗が再興した際に建てられた、本堂と庫裏が国宝指定を受けています。外観は地味ながら、中にはザ・桃山文化というような彫刻の扉やら欄間やら。庫裏も立派で、妻飾が見事です。

また、ここは境内に残る石窟が印象に残っています。これらの石窟は、鎌倉で良く見られる「やぐら」と呼ばれる墓そっくりなのです。鎌倉時代に北条氏に庇護されていたことが影響しているという話もあります。

大崎八幡宮 本殿 石の間 拝殿

こちらも伊達政宗によって建てられた桃山様式の建造物。瑞巖寺は仏教寺院らしく外観は落ち着いた感じですが、こちらはもう、見た目からして飛ばしてますね。

2004年に修理が完了したこともあり、漆がつやつや、金具もキンキラキンと、凄いものがあります。建造物というより、一つの作品というか、そんな感じですね。

帰りのバスの時間が迫っており、隅から隅までゆっくり見る事ができず、残念だった記憶があります。

羽黒山五重塔

お次は2008年の秋に行った羽黒山です。鶴岡駅からバスで行ったのですが、途中にはどでかい鳥居が立っており、そこから宿坊が山の随神門まで続いています。そこからが羽黒山の境内。

五重塔は随神門から谷間に下りて、少し歩いた場所にひっそりと建っています。杉の大木の合間に見えるその姿はなんとも神秘的。廃仏毀釈前はここに数多くの宿坊が並んでいたんでしょうなぁ。
それにしても、羽黒山の参道の杉並木は特別天然記念物に指定されているだけあって凄いですね。神聖な道場という雰囲気たっぷりです。

金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化

12月12日、文化的景観の答申を受けた新しい重要文化的景観を早速更新してみました。やはりこういうのは、速さが大事ですからね。

金沢はご存知北陸最大の都市。景観計画では駅前を初めとした都心部も範囲に入っていたと思うのですが、さすがにその辺りは重文景の選定範囲には除かれたのではないかと推測。

私が知っているのは漠然とした範囲だけですが、金沢城周辺、辰巳用水など関連用水とその近辺(長町武家屋敷など)、卯辰山寺院群、寺町寺院群、小立野寺院群、ひがし茶屋町、それと犀川および浅野川の周辺、といった感じ。具体的な範囲図を見てみたいです。


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2009年11月30日

更新:2009年11月


2009年11月の閑古鳥旅行社更新情報です。

名護屋城跡並陣跡

豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵する際にその出兵基地としてこさえた陣城です。陣城といっても総石垣で作られた巨大かつ堅固なもので、当時は大坂城に次ぐ規模だったといいます。

城の周囲には名だたる全国諸大名の陣跡が取り囲んでおり(まさにオールスター)、今でこそそれらは山に埋もれていますが、当時は辺り一帯に御殿が建ち並ぶ、凄まじい軍事基地としての光景が見れた事でしょう。

そうやって在りし日に思いを馳せるのはなんとも楽しいものです。

宇治の文化的景観

珍しく、重要文化的景観を更新しました。重文景は選定範囲が広いものが多く、しかもアクセスの悪い場所なことが多いので、なかなか更新するのが難しいのですよ。そんな中、この宇治は重文景で初めて市街地が含まれた物件で、比較的踏破が容易なので前々から狙っていました。

選定範囲は宇治川を軸に、宇治の中心市街の町並み、鳳凰堂で有名な平等院や宇治上神社などの社寺、山林などの自然景観が含まれます。また、宇治市街地より山を超えたところにある白川地区(茶畑が広がっている)や、萬福寺のある黄檗地区が今後追加選定される見込みです。

行きやすい宇治とは言え実際歩いてみると広大で、最後はくたくたになっていました。それと、黄檗地区に行き忘れていた為、この記事を作るのに二度宇治へ行きました。

三段峡

お待ちかねの紅葉シーズン。去年は奥入瀬渓流御嶽昇仙峡に行きましたが、今年はずばり三段峡です。

三段峡はほどほどの優雅さとほどほどの荒々しさが良い感じに混在しており、遊歩道も整備されていて歩きやすく、また見所も多いので秋の散策にぴったりです。

虹の松原

唐津の砂浜に広がる松原です。元々防風林、防砂林として植えられたもので、なるほど確かに潮風に煽られて松が傾いており、なかなか不思議な光景です。

松原の中を歩くだけでは感動は少ないですが、展望台から見るとこりゃ絶景。ぜひとも鏡山展望台に登ってみてください。ただ、車じゃなければいけないけれど。私はタクシーで虹の松原駅からタクシーを使ってしまいました。

栗林公園

香川県高松市の大名庭園です。この庭園は朝が早く、何と日の出と共に開園するとのこと。まぁ、あまり早すぎても写真が取りづらいのですが、それでも早朝来れるのは良いことですな。

山側を見るだけなら素晴らしい庭園ですが、背後にはマンション群がそびえ今日を削ぎます。このことについて、記事内で言及しようかどうか迷ったのですが、結局それについては書かず仕舞い。しかし、庭園はやはり背後の景観も重要なファクター。それには違いありません。


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2009年10月31日

更新:2009年10月


2009年10月の閑古鳥旅行社更新情報です。今回は九州北部の特別史跡がメイン。

吉野ヶ里遺跡

教科書などでも有名な弥生時代の遺跡ですな。環濠を巡らせて防御力を高めた集落で、このような集落が城郭へと発展していったというのが良く分かります。

個人的に一番の見所は出土した甕棺がそのまま展示されている北墳丘墓。遺跡のはずれにありますが、是非とも見た方が良いですよ、コレは。他にも結構見所が多く、思ったより長居してしまいました。

基肄(椽)城跡

大宰府を守るために、大野城と共に作られた古代の山城。古代山城は山の上にあり、なおかつ土塁がぐるりと囲んでいるため、登山が非常に大変ですが、ここも例には漏れませんでした。

まず、基山の頂上まで登るのが大変だった。登山道が一部崩れていたりするし。やっとゴールかと思ったら、やたら急勾配の草スキー場を登らなきゃならないし。しかし疲れただけに、頂上からの眺めは非常に良ござんした。

下りは下りで人気の無い山をとぼとぼ下り、しかも駅から遠い為、疲れた体に鞭を打ち、歩道を駅まで歩くのも一苦労。行きくらいはタクシー使えば良かったと心底公開しました。

金田城跡

対馬の古代山城です。古代山城なので当然ながらまたもや登山でしたが、バスがほとんど無い為、対馬の市街地である厳原からタクシーを使いました。楽でしたが、金はすっかり無くなりました(片道3500円ぐらいだったかな)。

基本的に土塁の基肄城とは違い、金田城は城壁が石垣。斜面をぐねぐね登っていく石垣はなかなか壮観です。万里の長城みたいでカッコ良い。

あと、途中二ノ城戸から三ノ城戸にかけて道が良く分からず遭難しかけました。立て札の通りに行ったつもりだったのにそうなったので、ルートはしっかり確認した方が良いです。

原の辻遺跡

壱岐にある弥生時代の遺跡です。今月は弥生遺跡に古代山城と、古い時代の遺跡が多いですね。

ここを訪れた時は、古い博物館と新しい博物館がちょうど入れ替わる時だったらしく、古い方が閉館しているのに新しい方はまだオープンしていないという残念な有様でした。

しかも、突然腹が痛くなり、すぐにトイレへ行かねば人生最大の醜態を晒してしまうという状況に。幸い、遺跡の中にポツンと仮設トイレが設置されていたので事なきを得ました。

三仏寺奥院(投入堂)

特別史跡や重伝建のストックが尽きたので、国宝建造物の中でも思い入れの深い投入堂を書きました。

ここは本気でやばい山道なので、入口で靴のチェックがあります。私はスニーカーを履いていきましたが、溝が減っていたのでNGを食らい、わらぞうりを買わされました。

また、事故防止のため一人だけでの登山はダメらしく、単独で来た人は他の人とペアを組まされていました。

木の根を伝って崖のような斜面を登り、チェーンを使って岩をよじ登り、ようやくたどり着いた投入堂。これは拝観が最も大変な国宝建造物に違いありません(二番は醍醐寺の上醍醐かな)。



今月、ちょくちょく色んな所へ行っていたのでストックも微妙に溜まりました。来月はそれらを消化していきます。


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