2007年03月20日

道路工事に見る情緒-前編


いつも見るたび思ってた。「あぁ、きれいだぁ」、と。会社の帰り、明治通りを自転車で走る私の目に映るのは、ぼんやり光る工事現場の明りである。それら、道路工事によく見られるコーンライトやLEDなどの赤い光には、独特の美しさがあるように思うのだ。それは、まるで堤燈(ちょうちん)や行燈(あんどん)というような、日本的な情緒をほうふつとさせる美しさ。

町の発展と共に姿を消していった和の情緒。それが発展の進行形とも言える道路工事の現場において見ることができる。せわしなく動き、働く現代の日本人には、そういった情緒を楽しむ余裕が必要なのではないだろうか。そう、忙しい毎日に疲れた時にこそ、人は工事現場へ行くべきなのだ。

金曜、週末を前に忙しく働いた後の深夜1時、私はふらりと明治通りの工事現場の前に立った。

道路工事に見る情緒-00

このような情緒を求めて



現在、東京では地下鉄副都心線の工事が目下進行中である。東京最後の地下鉄建設と言われるこの副都心線は、明治通りの下を通って渋谷から池袋までを縦断する路線だ。そのため、明治通り地下ではその地下鉄工事が昼夜を問わず行われており、その地上もまた交通の整理や規制のため数多くのコーンライトが並べられている。

道路工事に見る情緒-03

ずらりと並ぶ工事現場のコーンライト

明治通りに連なるコーンライト。私は毎日それを眺めながら帰路につく。交通量の多い明治通りを地味にも照らし、工事と道路の境界を示し続けるライトたち。それは、夜遅くなればなるほど綺麗になる。周囲のビルの明かりが消え、通りを走る車が少なくなった深夜、眠らぬ東京に短い夜が訪れたその時、それらは美しさのピークを迎える。

道路工事に見る情緒-02

赤い光が街へと溶ける

そもそも私が道路工事の明かりを美しいと思ったのは、会社の窓から見えた道路工事のコーンランプが最初であった。道路の中心、平行に並ぶ赤い2本の光。それが、暗い夜景と相まって非常に綺麗に見えた。私はしばらく時も仕事も忘れ、それをぼんやりと眺めていた。道路工事のコーンライトには、私の心をそれだけ惹きつける何かがあった。

道路工事に見る情緒-01

平行に並ぶコーンライト

規則正しくまっすぐに伸びるそのコーンライトは、現実離れした雰囲気を放っている。ドライバーが認識できるよう暗すぎもせず、周囲の環境を壊さぬよう明るすぎもせず、ほどよい光量で暗い道路の上にぼんやりと浮かぶ赤いライト。その幻想的な光には、ほのかな色気さえも感じられる。

道路工事に見る情緒-05

闇に踊る光の影



posted by きむら at 10:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | コネタ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/32253223
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック