2025年6月20日(金)の文化審議会において、「史跡名勝天然記念物の指定等」の答申がありました。内容は以下の通りです。
《特別史跡の新指定》
・原爆ドーム(旧広島産業奨励館)【広島県広島市】
《史跡の新指定》
・大聖寺城【石川県加賀市】
・香坂山遺跡【長野県佐久市】
・韮山城跡 附 付城跡【静岡県伊豆の国市】
・坂本城跡【滋賀県大津市】
・多良木相良氏遺跡【熊本県球磨郡多良木町】
・崇元寺跡【沖縄県那覇市】
《史跡の追加指定及び名称変更》
・内裏塚古墳群 内裏塚古墳 上野塚古墳 九条塚古墳 古塚古墳 稲荷山古墳 三条塚古墳 割見塚古墳 亀塚古墳(上野塚古墳、九条塚古墳、古塚古墳、稲荷山古墳、三条塚古墳、割見塚古墳、亀塚古墳【千葉県富津市】を追加指定する)
・井戸尻遺跡群 井戸尻遺跡 曽利遺跡(曽利遺跡【長野県諏訪郡富士見町】を追加指定する)
・駿河国分寺跡【静岡県静岡市】(指定地を追加し片山廃寺跡から名称変更)
・出雲国山代郷遺跡群 正倉跡 北新造院跡 南新造院跡 南新造院瓦窯跡(南新造院跡 南新造院瓦窯跡【島根県松江市】を追加指定する)
・讃岐遍路道 大興寺道 曼荼羅寺道 曼荼羅寺境内 出釋迦寺境内 甲山寺境内 善通寺境内 根香寺道 根香寺境内 志度寺境内 大窪寺道 大窪寺境内(大興寺道【香川県観音寺市】、曼荼羅寺境内、出釋迦寺境内【香川県善通寺市】、根香寺境内【香川県高松市】、大窪寺境内【香川県さぬき市】を追加指定する)
・伊予遍路道 観自在寺道 稲荷神社境内及び龍光寺境内 仏木寺道 明石寺道 明石寺境内 大寶寺道 大寶寺境内 岩屋寺道 岩屋寺境内 浄瑠璃寺道 浄瑠璃寺境内 八坂寺境内 浄土寺境内 繁多寺境内 圓明寺境内 横峰寺道 横峰寺境内 三角寺奥之院道(圓明寺境内【愛媛県松山市】を追加指定する)
・奄美大島要塞跡及び大島防備隊跡 附 大島需品支庫跡【鹿児島県大島郡瀬戸内町】
《天然記念物の新指定》
・マチカネワニ化石【大阪府豊中市】
《天然記念物の追加指定及び名称変更》
・徳之島明眼の森・義名山の森琉球石灰岩地森林植物群落【鹿児島県大島郡伊仙町】
《登録記念物(名勝地関係)の新登録》
・平木氏庭園【石川県金沢市】
・山田氏庭園【石川県金沢市】
・浮月楼庭園【静岡県静岡市】
・旧八木商店本店庭園【愛媛県今治市】
・旧豊山閣庭園(旧旅館田川)【福岡県北九州市】
・東南植物楽園【沖縄県沖縄市】
ついに「原爆ドーム」が特別史跡に昇格しました。近代の遺跡として初めての特別史跡になります。以前から特別史跡への動きが活発にあり、2023年には原爆ドーム以外の被爆遺構6件が『広島原爆遺跡』として一括して史跡に指定されたので、まぁそろそろだろうなとは思っていました。

人類史上初めて使われた核兵器の惨禍を示す「原爆ドーム」
史跡指定に関しては、今回も文化庁が公表している「指定相当の埋蔵文化財リスト」に記載されているものが中心ですね。引き続き、リストに記載されている遺跡の史跡指定が進んでいくことでしょう。
明智光秀の居城であった「坂本城跡」が国の史跡に。宅地造成予定地から三の丸の石垣が出土し、事業者の三王不動産流通は開発を中止して保存に舵を切りました。国史跡に相当する「旧門司駅舎跡」を破壊した北九州市のように(この件に関しては何度でも言うぞ)開発を優先する事例も少なくない中、英断を下した三王不動産流通には本当に敬意を表したいと思います。
那覇港の近くにある「崇元寺跡」は歴代琉球国王の位牌を祀っていた重要な寺院でしたが、沖縄戦によって焼失してしまいました。石造の「第一門及び石牆」のみが現存しますが、発掘調査により建物の基礎や石敷が残っていることが判明し、史跡に指定されることになりました。

重要文化財に指定されている「旧崇元寺第一門及び石牆」
個人的なお楽しみの四国遍路関係ですが、『讃岐遍路道』に第66番札所の「雲辺寺」から第67番札所の「大興寺」へ向かう「大興寺道」、それと第72番札所の「曼荼羅寺境内」、第73番札所の「出釋迦寺境内」、第82番札所の「根香寺境内」そして第88番札所の「大窪寺境内」が追加されます。また『伊予遍路道』に第53番札所の「圓明寺境内」が追加されます。

雲辺寺から山を下る「雲辺寺道」
「出釋迦寺境内」には奥之院の捨身ケ岳禅定がある我拝師山も含まれてる感じですね。おそらく「大窪寺境内」にも奥之院の岩窟が含まれているっぽいです。正確な指定範囲を見たわけではないので断言はできないですが。

幼き弘法大師が身を投げたという「捨身ケ岳禅定」
遍路道や霊場が追加指定される度にまた四国遍路に行きたいなぁと思う一方、2024年4月から納経料が300円から500円に値上がりしてしまい(つまり88箇所で計17600円の値上げ)、私の中で四国遍路に対する熱量が若干下がった感はあります。お金がないのに物価ばかり上がって貧乏になる一方の昨今です。
