2023年10月21日

【文化審議会答申】国宝・重要文化財(建造物)の指定について


 更新が滞っており申し訳ありません。ものすごく今更な感じになってしまいましたが、文化審議会の答申について書いていきます。今年は文化庁が京都に移転した影響か、文化審議会のスケジュールがイレギュラーかつ一回あたりの件数が少なめになっています。

 まずは6月23日(金)の文化審議会において、「国宝・重要文化財(建造物)の指定」の答申がありました。内容は以下の通りです。

《国宝》
・通潤橋 1基【熊本県上益城郡山都町】

《重要文化財》
・旧矢中家住宅 2棟 本館、別館、土地【茨城県つくば市】
・天満宮 2棟 本殿・幣殿・拝殿、末社春日社本殿【茨城県桐生市】
・手取川七ヶ用水取水施設 2基、1所 大水門 取入口隧道 富樫用水取入口水門【石川県白山市】
・軽井沢夏の家(旧アントニン・レーモンド軽井沢別邸) 1棟【長野県北佐久郡軽井沢町】
・真宗本廟東本願寺内事 3棟 洋館、日本館、鶴の間【京都府京都市】
・櫻井神社 3棟 本殿、拝殿、楼門【福岡県糸島市】
・祖神社本殿 1棟【福岡県糸島市】
・日家住宅 2棟 主屋、燻製室【宮崎県延岡市】

《重要文化財の追加指定》
・旧坂野家住宅(茨城県常総市大生郷町) 2棟 書院、文庫蔵【茨城県常総市】
・富岡家住宅 土地【山梨県甲府市】
・真宗本廟東本願寺 14棟 宝蔵、大玄関及び大寝殿、白書院、黒書院、宮御殿、桜下亭、能舞台、議事堂、表小書院、菊門、玄関門、寺務所門、内事門、十三窓土蔵【京都府京都市】

 熊本県の白糸台地に水を供給する水路橋の「通潤橋」が国宝に。嘉永7年(1854年)に築かれた石造アーチ橋で、数多くの石橋が架けられた熊本県でも最大級です。石造物としては沖縄県の玉陵に次ぐ二例目、橋など土木構造物としては初の国宝指定です。


近世石橋の傑作である通潤橋

 お次は群馬県桐生市の「天満宮」。織物業の町として重要伝統的建造物群保存地区に選定されている桐生新町の北側に鎮座する神社で、寛政元年(1789年)建造の本殿はびっしりとした装飾で覆われています。北関東で発展した装飾社殿が江戸時代後期において爛熟する様相を示すものと評価されています。


彫刻で覆われた桐生天満宮の本殿

 他にも東本願寺の建造物群や、宗主の住まいとして築かれた内事も重要文化財になりました。元治元年(1864年)の大火の後、明治から昭和初期にかけて再建された東本願寺伽藍のほぼ全体が重文になったと言えるでしょう。

 昭和初期の木造モダニズムである軽井沢夏の家や、農業用水の取水施設である手取川七ヶ用水取水施設など、今回は指定件数こそ少なめながらも興味深い建築が多いですね。

posted by きむら at 14:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 文化財
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