2021年01月10日

【文化審議会答申】史跡等の指定等について


 年をまたいでしまい物凄く今更な感じで恐縮ですが、11月20日(金)に開催された文化審議会において、「史跡等の指定等」の答申がありました。内容は以下の通りです。

《史跡》
・屋形遺跡【岩手県釜石市】
・赤井官衙遺跡群 赤井官衙遺跡 矢本横穴【宮城県東松島市】
・山居倉庫【山形県酒田市】
・鈴木遺跡【東京都小平市】
・鈴鹿関跡【三重県亀山市】
・舟木遺跡【兵庫県淡路市】
・湯浅党城館跡【和歌山県有田郡湯浅町・有田郡有田川町】
・樫野埼灯台及びエルトゥールル号遭難事件遺跡【和歌山県東牟婁郡串本町】
・下岡田官衙遺跡【広島県安芸郡府中町】
・久留米藩主有馬家墓所【福岡県久留米市】
・小部遺跡【大分県宇佐市】
・北谷城跡【沖縄県中頭郡北谷町】

《名勝》
・神仙郷【神奈川県足柄下郡箱根町】
・知恩院方丈庭園【京都府京都市】
・仁和寺御所庭園【京都府京都市】

《天然記念物》
・糸魚川市根知の糸魚川−静岡構造線【新潟県糸魚川市】
・溝ノ口洞穴【鹿児島県曽於市】
・伊平屋島のウバメガシ群落【沖縄県島尻郡伊平屋村】

《重要文化的景観》
・加賀海岸地域の海岸砂防林及び集落の文化的景観【石川県加賀市】
・越前海岸の水仙畑 下岬の文化的景観【福井県福井市】
・越前海岸の水仙畑 上岬の文化的景観【福井県丹生郡越前町】
・越前海岸の水仙畑 糠の文化的景観【福井県南条郡南越前町】
・瀬戸内海姫島の海村景観【大分県国東郡姫島村】

《史跡の追加指定及び名称変更》
・古市古墳群 古室山古墳 赤面山古墳 大鳥塚古墳 助太山古墳 鍋塚古墳 城山古墳 峯ヶ塚古墳 墓山古墳 野中古墳 応神天皇陵古墳外濠外堤 鉢塚古墳 はざみ山古墳 青山古墳 蕃所山古墳 稲荷塚古墳 東山古墳 割塚古墳 唐櫃山古墳 松川塚古墳 浄元寺山古墳 白 鳥陵古墳周 堤 仲姫命陵古墳周堤(白鳥陵古墳周堤・ 仲姫命陵古墳周堤【大阪府羽曳野市・藤井寺市】を加える)
・阿波遍路道 大日寺境内 地蔵寺境内 焼山寺境内 一宮道 常楽寺境内 恩山寺道 立江寺道 鶴林寺道 鶴林寺境内 太龍寺道 かも道 太龍寺境内 いわや道 平等寺道 雲辺寺道(常楽寺境内【徳島県徳島市】を加える)
・讃岐遍路道 曼荼羅寺道 善通寺境内 根来寺道 大窪寺道(大窪寺道【香川県さぬき市】を加える)
・伊予遍路道 観自在寺道 稲荷神社境内及び龍光寺境内 仏木寺道 明石寺境内 大寶寺道 岩屋寺道 横峰寺道 横峰寺境内 三角寺奥之院道(岩屋寺道【愛媛県上浮穴郡久万高原町】を加える)
・土佐遍路道 竹林寺道 禅師峰寺道 青龍寺道(竹林寺道・禅師峰寺道【高知県高知市】を加える)

《登録記念物(名勝地関係)》
・和泉市久保惣記念美術館茶室庭園【大阪府和泉市】
・嫁ケ島(蚊島)【島根県松江市】
・真玉海岸【大分県豊後高田市】
・津嘉山酒造所庭園【沖縄県名護市】
・ハナンダー(自然橋)【沖縄県島尻郡八重瀬町】

《登録記念物(動物,植物及び地質鉱物関係)》
・震生湖【神奈川県秦野市・足柄上郡中井町】

 最上川の河口に位置する山形県酒田市からは「山居倉庫」が国指定史跡に。明治26年(1893年)に築かれた坂田米穀取引所の附属倉庫で、庄内米の保管や取引に使われていた大規模施設です。現在も倉庫として現役であり、それらの倉庫群とケヤキ並木が連なる光景は酒田市を代表する景観として有名です。


酒田市のシンボルである、山居倉庫とケヤキ並木が連なる光景

 他にも、古代の律令国家において重視された三関のひとつ「鈴鹿関跡」や、トルコとの良好な国際交流の礎といえる「エルトゥールル号遭難事件遺跡」、米軍基地から返還された土地にある「北谷城跡」など、なかなかに興味深いものが多いです。

 重要文化的景観では「加賀海岸の砂防林」および「越前海岸の水仙畑」といった、冬に荒波が押し寄せる日本海沿岸の地域に根差した風景が新選定。特に「越前海岸の水仙畑」は3つの自治体にまたがっています。水仙のシーズンは12〜1月とまさにこの時期なのですが、さすがに冬の日本海沿岸は寒すぎてカブで取材に行くのはムリかなぁ。公共交通機関で周れるのだろうか。

 今回の答申では遍路道の追加指定がたくさんあって四国遍路に思い入れのある個人的には嬉しい限りです。まず、『阿波遍路道』に第14番札所の「常楽寺境内」が追加されました。阿波青石(緑色片岩)の岩盤上に堂宇が建っており、独特の風情を見せる札所です。


荒々しい岩盤が露出する常楽寺境内

 『土佐遍路道』には第31番札所竹林寺へ向かう「竹林寺道」および第32番禅師峰寺に向かう「禅師峰寺道」が追加。どちらも竹林寺がある五台山に残る古道です。そのうち「禅師峰寺道」は現在も多くの遍路が歩いていますが、「竹林寺道」の方は現在の遍路道とは外れているのでほとんど歩く人はいないと思われます。かつて五台山は独立した島でしたので、高知城下から船で西麓の吸江寺へと渡っていた遍路が使っていたルートのようです。


現在は歩く人が少ないものの、石段や石造物が良好に残る「竹林寺道」

 『伊予遍路道』には第45番札所の岩屋寺へと続く「岩屋寺道」が追加。第46番札所の大寶寺から畑野川地区へ抜ける遍路道の一部、および岩屋寺への難所として知られる八丁坂とその前後の遍路道、計約4.2kmが範囲です。

 『讃岐遍路道』には第88番札所の大窪寺へと続く旧遍路道の一部が「大窪寺道」として追加。県道3号線および国道377号線沿いに残る断片的な古道の6区間(計約1.5km)が対象です。私が歩き遍路をやった10年前は全く気付かなかった古道ですが、近年になって歩けるよう整備され、現在は道標も存在するようです。次に遍路をやる時にはぜひとも歩いてみたいですね。

posted by きむら at 19:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 文化財
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