この春から琵琶湖疏水の船下り事業が本格的に始まります。それに先立ち、11月に新船完成を記念しての試乗会が行われたのですが、幸いにも参加することができましたのでレポート記事をデイリーポータルZに寄稿しました。
・琵琶湖疏水の船下り試乗会に参加した
せっかく京都に行くのだから琵琶湖疏水以外のスポットも周りたいと思い、二日の旅程で京都周辺をうろうろしてきました。初日のメインはもちろん試乗会。大津に昼の12時ぐらいに集合だったので、午前中は大津にほど近い坂本の町を歩いてきました。

坂本は比叡山延暦寺の里坊(隠居した僧侶の住居)で、現在も数多くの寺院や庭園が密集しており、国の重要伝統的建造物群保存地区(以下重伝建)に選定されています。路地に沿って穴太衆(築城で活躍した石工集団)による石積みが連なっており、実に独特な雰囲気の町です。

坂本には延暦寺と共に発展してきた日吉大社が鎮座しています。ちょうど紅葉の時期ということもあり、その境内は実に良い感じに色付いていました。日吉大社の裏手に聳える八王子山にも登頂。琵琶湖が一望のもとで、実に素晴らしい景色を堪能することができました。

昼からはいよいよ琵琶湖疏水の船下り試乗会。詳しくはDPZの記事をご覧いただいたいと思いますが、これがもうとにかくエキサイティング。第一トンネル内の扁額や竪坑などなど、他ではできない体験が盛りだくさんでした。疏水沿いの紅葉も良かったですが、桜の季節はもっと凄いのではないかと思います。2月から予約開始とのことですが、桜の時期を狙うには速攻で予約しないとすぐに埋まってしまいそうですね。

試乗会が終わったら京都駅から特急で天橋立に移動。天橋立を横断して府中地区にあるユースホステルに泊まりました。で、二日目の午前中は天橋立を散策。写真は天橋立を眺めるスポットとして有名な松傘公園からの眺め……ではなく、より西側の成相寺旧参道から撮ったものです。昔は多くの参拝者がこの景色を見ていたのでしょうが、現在ここから天橋立を見る人はあまり多くはないのでしょうね。

天橋立により外海から切り離された阿蘇海の北側に位置する溝尻集落では、海に面して舟屋や桟橋が連なります。舟屋といえば、天橋立の少し北に位置する伊根浦の方が規模が大きく、そちらは重伝建に選定されていますが、こちらの溝尻は「宮津天橋立の文化的景観」の一部として国の重要文化的景観の構成要素となっています。

二日目の午後は鉄道とバスを乗り継ぎ、但馬は養父市の大屋町大杉集落を訪れました。江戸時代後期から昭和前期にかけて築かれた大型の養蚕住宅が密集しており、去年重伝建に選定されました。谷間の付け根に位置する小さな集落ですが、ひとつひとつの家の質は高く、町並みとしてもユニークです。
という感じで、琵琶湖疏水の船下りを中心に二日間楽しんできました。坂本や天橋立は二度目の訪問ですが、以前の時は見てなかった場所も周ることができ、新たな発見ができたと思います。