2025年01月02日

2024年の振り返り&2025年の目標


 明けましておめでとうございます。去年は個人的に生活が一変した年でした。具体的にはライター業の仕事が完全になくなったので、別の仕事をフルタイムで始めました。なので肩書も文化財ウォッチャーに変えました。始めた仕事も文化財関係ですし。

 収入が安定するようになりましたが、まとまった休みはなかなか取れないと思うので、一週間以上の旅行は難しいと思います。一方で週末はできるだけどこかへ行くように心掛けていますので、日帰り旅行は増えています。とりあえず春までは山に登ることが多いと思います。雪が降ったら登山はむりなので博物館や郷土資料館巡りかな。

 さて、正月の恒例行事として、去年の活動予定を振り返ってみましょう。

・夏コミまでに新刊を作る→佐渡島の本を作りました。

 去年の冬コミで重伝建の本を予告しておきながら落としてしまったことを猛省し、佐渡島の重伝建や重文景についての本を作りました。……が、まったく売れていません。佐渡島の金銀山が世界遺産になったこともあり多少は需要があるかと思ったのですが、びっくりするほど売れていません。こちらからお買い求めいただけますので、何卒よろしくお願いします!

・すべての記事を書き上げる→国宝建造物と重文景が……。

 重伝建はすべて書くことができましたが、国宝建造物と重文景が残ってしまいました。特に重文景は広範囲の取材が必要なものが多く、前述の通り長めの旅行ができない状況なのですぐにの対応は難しい感じですが、国宝建造物のうち勝興寺と萬福寺は取材済みなのでできるだけ早く書きたいと思います。

・昔の記事を手直し→できませんでした。

 常々やらなきゃとは思っているのですが、ほとんどできませんでした。こちらも少しずつ手を付けていきたいと思います。

・体重を80kgまで落とす→77kgまで落とせました。

 秋から登山を本格的に開始したこともあり、順調に減量が進んでいます。登山は凄いです。みるみるうちに体重が落ちていきます。家系ラーメンを週2とかで食べても、お釣りがくるレベルで痩せていきます。

 ――という感じでした。それでは、今年の目標を立ててみましょう。

・月1で記事を更新する

 すべての記事を書き上げる、など大きいことは言えない感じですが、せめて月1以上で新規掲載もしくは過去記事の手直しをしたいと思います。新旧含めて計12本の更新、これが現実的な目標といったところでしょう。

・週1で外出(旅行)する

 これは新しい仕事を初めてからずっと続けられているので、改めて目標にするまでもない気もしますが、とりあえずここに明記しておきます。まぁ、病気でもしない限り大丈夫でしょう。

・体脂肪率を20%未満に

 体重は80kg以下にできたので、次は体脂肪率を落としたいです。20%未満に絞って、腹を引っ込めたいです。

 ――以上です。とりあえず日々の仕事をこなしつつ、日帰り外出を基本としながらコンスタントに記事を更新していければと思います。新しい仕事を始めてから自分でもびっくりするくらい規則正しい生活になりましたので、今年はそれを維持して健康で文化的な生活を続けられたらと思います。

posted by きむら at 10:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2024年12月31日

【文化審議会答申】史跡名勝天然記念物の指定等について


 12月20日(金)の文化審議会における、「史跡名勝天然記念物の指定等」の答申についてです。内容は以下の通りです。

《史跡》
・松倉城【岐阜県高山市】
・前畑遺跡【福岡県筑紫野市】
・島原城跡【長崎県島原市】
・腰高遺跡【長崎県対馬市】
・臼杵城跡【大分県臼杵市】
・与論城跡【鹿児島県大島郡与論町】

《名勝》
・納池【大分県竹田市】

《登録記念物(名勝地関係)》
・明神山(送迎山)【奈良県北葛城郡王子町】
・丸井氏庭園【鳥取県倉吉市】
・上林の風穴【愛媛県東温市】
・穴井戸観音【大分県豊後高田市】

《史跡の追加指定及び名称変更》
・讃岐遍路道 曼荼羅寺道 甲山寺境内 善通寺境内 根香寺道 志度寺境内 大窪寺道(甲山寺境内【香川県善通寺市】を追加指定する)
・土佐遍路道 最御崎寺道 金剛頂寺道 金剛頂寺境内 神峯寺道 竹林寺道 禅師峰寺道 清瀧寺境内 青龍寺道 金剛福寺道 観自在寺道(最御崎寺道 金剛頂寺道観 金剛頂寺境内 神峯寺道【高知県室戸市】、金剛福寺道【高知県土佐清水市】を追加指定する)

 前回の史跡答申と同様、今回の史跡指定も文化庁が公表している「指定相当の埋蔵文化財リスト」に記載されているものがほとんどでした。今後もリストに記載されている遺跡の史跡指定が進んでいくと思われます。

 このリストは極めて重要な近代化遺産である「高輪築堤」を全面保存できなかった反省を踏まえて文化庁が作成したものですが、残念ながら高輪築堤と同様に我が国の鉄道の黎明期を示す「旧門司駅舎跡」の遺構が北九州市によって破壊されてしまいました。そのことについてどう考えているのか、文化庁に聞いてみたいです。

 さて、今回は城跡の史跡指定が目立ちますね。島原半島の東部に位置する島原城跡は立派な石垣が特徴の近世城郭です。4万石の島原藩にしては立派過ぎる規模で、その建設費を担うため領民に重税を課し、それが島原の乱の切っ掛けになったとも言います。周囲を有力な外様大名に囲まれた島原藩は、それらを抑え込むための巨城が必要だったという事情もあるようです。実際、島原の乱の一揆勢を撃退していますし、堅城であったことは間違いありません。


シンプルな縄張りながらも堅牢な島原城

 大分県の臼杵城跡は戦国時代に大友宗麟が築き、織豊時代から近世にかけて石垣で拡張された城跡です。現在は市街地と陸続きですが当初は海に囲まれた島で、主郭が西側から東側に変わるなど城郭の変遷が追える点も評価されています。


現在の主要な登城口である今橋口から見る臼杵城

 毎回おなじみの四国遍路関係ですが、『讃岐遍路道』に第74番札所の「甲山寺境内」、『土佐遍路道』に第24番札所の最御崎寺へと上る遍路道が「最御崎寺道」として、第26番札所の金剛頂寺へと上る遍路道「金剛頂寺道」とその境内、金剛頂寺から下りる遍路道が「神峯寺道」として、第38番札所金剛福寺と第39番札所延光寺の分岐点にあたる真念庵とその前後の遍路道が「金剛福寺道」として追加されます。しばらくご無沙汰だった土佐遍路道が一気にきた感じですね。


石仏が並ぶ遍路道と真念庵

 今回はこんなところです。なんとか年内に更新することができました。来年はもう少しスピード感を持ってサイトの更新に勤しみたいです。今年も一年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

posted by きむら at 11:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 文化財

2024年10月19日

【文化審議会答申】国宝・重要文化財(建造物)の指定について


 10月18日(金)に開催された文化審議会において、「国宝・重要文化財(建造物)の指定」の答申がありました。内容は以下の通りです。

《国宝》新指定
・萬福寺 3棟 大雄宝殿、法堂、天王殿【京都府宇治市】

《重要文化財》新指定
・總持寺祖院 16棟 大祖堂、仏殿、山門、鐘鼓楼及び回廊、放光堂、慧心廊、玄風廊、伝燈院御霊屋、伝燈院唐門、慈雲閣観音堂、白山社本殿、白山蔵、経蔵、三樹松関、裏門【石川県輪島市】
・旧村井家別邸(長楽館) 1棟【京都府京都市】
・金剛峯寺 9棟 御影堂、西塔、山王院拝殿、山王院鐘楼、准胝堂、宝蔵、大会堂、愛染堂、三昧堂【和歌山県伊都郡高野町】
・金剛峯寺金堂及び根本大塔 2棟【和歌山県伊都郡高野町】
・瀬戸内海歴史民俗資料館 1棟【和歌山県和歌山市】
・鞍埼灯台 1基【宮崎県日南市】

《重要文化財》追加指定
・妙義神社 4棟、1基 随神門、廻廊、銅鳥居、御殿、社務所【群馬県富岡市】

 まずは京都府の宇治市にある黄檗宗の大本山「萬福寺」の3棟が国宝に。日本にインゲンマメを伝えたと言われる隠元が17世紀半ばに開いた寺院で、明の建築様式と日本の建築様式が融合した統一感ある伽藍景観が特徴です。境内のほぼ全体というべき23棟が重要文化財に指定されていましたが、そのうち最も主要な建造物である大雄宝殿、法堂、天王殿が国宝に昇格します。


全体が中国風に整えられた、実に印象的な寺院である

 輪島市の門前町にある總持寺祖院の堂宇群が重要文化財になります。曹洞宗大本山の總持寺が明治時代に横浜へ移転した跡地に建てられた寺院です。2007年の能登半島地震で被災し、2021年に完全復興したなかで今年正月の能登半島地震で再び多大な被害を受けました。今回の重文指定は被災前から準備が進められていたとのことですが、重文に指定されたことで国の補助が得られるようになりましたので、それが再復興の道筋になるのではないでしょうか。

 弘法大師空海が開いた金剛峯寺の壇上伽藍に建ち並ぶ堂宇も重文に。指定は「金剛峯寺 9棟」と「金剛峯寺金堂及び根本大塔 2棟」の2件に分かれていますが、これは前者が江戸時代の木造、後者が昭和初期の鉄筋鉄骨コンクリート及び木造と時代区分・工法が違うためです。金剛峯寺は今年の1月に本坊も重文に指定されましたし、これで金剛峯寺のほぼ全体の建造物が重文になった形となります。


壇上伽藍の中核である根本大塔は昭和12年に再建された

 瀬戸内海を見渡す五色台にある瀬戸内海歴史民俗資料館も重文に。昭和48年(1973年)の建造で、1970年代の建築として初めての指定、最も若い重文になります。近代灯台の重文指定の流れとしては、今回は宮崎県日南市の大島に建つ鞍埼灯台が重文になります。

 ――という感じでした。件数こそ少な目ですが、粒ぞろいだと思います。重伝建の選定がないのは少し残念でした。

posted by きむら at 13:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 文化財